ロシア装備考察 SSO/SPOSN 装備変遷

考察

ООО “Союз Спец Оснащение” (SSO)は1997年に設立、以降現在に至るまでロシアで使用されている様々な衣類・装備を作り続けている。現在ではSSOは開発部門、ООО “Спецоснащение”(Sposn)は実際の生産部門を受け持つ部門である。

本来、Sbruyaは”ハーネス”って意味ですが、2004年~現在の標準的な形のハーネスをSmersh、それ以前のものをSbruyaと便宜上呼んでいます。SSOからすればどれもSmershです。

Sbruya/Smersh 変遷

Smershの最初期型(一型)は1999-2000年に開発された。リネンキャンバスとアビゼント*の混紡素材のものである。*アビゼント(Avizent)とはAviationとBrezent(混紡素材)の一部をとった混紡のことで、空挺降下用の装具に耐えうる素材という意味合い。ソ連時代よりよく見られる素材である。


次世代のSmersh(二型)はすべてアビゼント生地で、2000年~2001年秋まで作られた。ブットパックの両サイドにはスモークグレネードやフレアを入れるポケット、更にグレネードを収納するポーチが別途、2個ついている。


Smersh(三型)は2001年秋~2002年夏まで作られた。

ブットパックの両サイドにはスモークグレネードやフレアを入れるポケットは同じくして、5連のVOGポーチが2個追加された。特徴的な”カナディアンボタン”のフラップ止めを採用している。この他、マガジンポーチにはグレネードポーチが両サイドに追加、ポーチ自体が長く、45連マガジンにも対応している。ハーネスには10mmのパッドフォームがつくようになった。

2002年の夏以降にはマガジンポーチのフラップ止めの形状がスナップボタンに変更される。2個のボタンが付いており、これは各々、30連と45連マガジンに対応している。

 2002年の暮れより、ブットパックが米軍のM1961タイプへ変更された。

2003年よりいくつかの変更を経て、2005年頃~現在でも見られる形へ定着した。

Smersh 年代をタグで見分ける方法

様々な仕様

2002年以前においては1996年~2000年の間に作られたTsSN FSB向けのSRVV製ATCベストやV1チェストリグ、スペツナズベストなどが有名だが、この期間においてはSSOを含め、様々な装備を着用していた。もちろんFSBに限らず他の特殊部隊員もSSO/SRVV製の製品を使用していた。

実際のところ”Sbruya”というハーネスも並行して生産されたとのことだが、種類が多く、当時はSmershの部品と混用していたことから特定が困難である。一つ言えるのは革タブが使われているようである。故に、2004年以前のSmersh以外をSbruyaと総称するのが一般的であると思われる。2003年以降はSmershに生産が集約されていく過程でも混用ハーネスが生産されていたと思われる。

Sbruya Partizan

2002年にFSBにおける最も大きいサプライヤーとなったSSOはFSBの特殊部隊向けにハーネスを開発した。2003~2004年頃に作られたこのハーネスをSbruya Partizan(パルチザンハーネス)と呼んでいる。特徴的なマガジンフラップ止めやブットパックはこの時期のFSB装備の代名詞とも言える。ただ、このSbruya ParitzanにおいてもSmershやSbruyaとの混用はもちろん見られるので、混乱しやすい。

PK/AK/SVD等、使用する銃別に専用マガジンポーチを用意したことにより要求に答えた。

ベスト

他にもFSBへ配布されたチェストリグ、ベスト等が存在する。SmershやSbruyaと同様形や種類は様々である。

“Kenguru-3” チェストリグ “トグルボタン”タイプ 30連マガジン用

“Kenguru-3” チェストリグ “トグルボタン”タイプ45連マガジン用

“Kenguru-3” チェストリグ “カナディアンボタン”タイプ

“Kenguru-4” チェストリグ “カナディアンボタン”タイプ

“Kordon” ベスト

“Eger” チェストリグ 特注品

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